映画 最後の早慶戦

 雨は涼しくて歓迎だが、こう永く続くと鬱陶しい。
気分転換に、映画を観ようと調べたら「最後の早慶戦」をやっている。
家内と観て来た。
 家内は面白く無かったようだが、私には当時が思い出されて痛ましい。
従兄弟が、慶応のサッカーのレギュラー選手だったが、海軍予備学生第13期
で航空隊に入隊。前線に行く前に、叔父である私の父に挨拶に来て呉れた。
夏の事で、真っ白な軍服に短剣を吊って、それはそれはスマートで、今様
に言えばカッコ良かった。その時の印象は、今でも鮮明に残っている。
幼稚舎からの慶応ボーイは、実に海軍が似合った。
性格も男らしく、大好きな従兄弟だった。
 その後彼は、一式陸攻に載って台湾沖で戦死して仕舞う。
 私には、従兄弟が多く、二人に兄も含め、殆ど兵隊にとられたが、運良く
皆復員してきた。
 それだけに、彼の死は惜しんでも惜しみきれない。
映画は、野球部の話だが、同じ体育会の話。
戦後、息子を亡くした伯母の悲しみを知っているだけに、人ごとでは無かった。